2024年2月4日日曜日

2024/2月の読書会「次のテキストは何?」

 今月は、カフェサッフォーを会場にお借りして6名で読書会だった。

 「政治的な手芸部(グループ山姥)」の今年のバナーのテーマの”尊厳”モチーフの刺繍を見せてもらった。テーマの花ことばのイメージからの刺繍はとても細かく綺麗だった。

 カフェでコーヒーを飲みながらというのはなんともゆったりとした時間になる。

これまで読んできた「フェミニズムがひらいた道」を先月に終え、まだ決まっていない次の本を決めることになっていた。何冊かを検討しながら”次のテキストは?’’から話はどんどん発展した。 

・別姓が理解できない学校。何度、言っても親と子どもの苗字が違うことが理解できない先生たち。そして親と子の苗字が違う理由を「宗教ですか?」と理解しようとする人たち。多様性を求める社会は絵に描いた餅。根深い不理解。

・地域によっては進学校に行かせたくない親がマジョリティの話。これまでもあった長男等に家業等を継がせるためや単に親の近くの地元に残るように勉学に興味を持って進学校に行かせたくない親。教育虐待の対極にあるようで実は同根かもしれないと思ったりもした。

こどもなどの次世代を地域に残す知恵?それにより、地方から都市への人口の流出や人口の集中はないというのか?

(内閣府の男女共同参画のデータから引用)

   <令和2(2020)年度の学校種類別の男女の進学率>

高等学校等への進学率は,女子95.7%,男子95.3%と,高い水準にあるが,ここ数年間は男女ともわずかながら低下している(平成28(2016)年女子96.9%,男子96.3%)。また,専修学校(専門課程)への進学率は,女子27.3%,男子20.5%と,女子の方が6.8%ポイント高い。

 大学(学部)への進学率は,女子50.9%,男子57.7%と男子の方が6.8%ポイント高いが,女子は全体の7.6%が短期大学(本科)へ進学しており,これを合わせると,女子の大学等進学率は58.6%となる。近年,大学(学部)への女子の進学率が上昇傾向にある一方で,短期大学への進学率は平成6(1994)年度の24.9%をピークに低下傾向にある。

大学(学部)卒業後,直ちに大学院へ進学する者の割合は,令和2(2020)年度では女子5.6%,男子14.2%となっており,男女とも平成22(2010)年以降低下傾向にある(平成22(2010)年女子7.1%,男子17.4%)(I-5-1図)。

I-5-1図 学校種類別進学率の推移別ウインドウで開きます
I-5-1図 学校種類別進学率の推移

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格差は却って広がる社会となって「親ガチャ」などと称される社会に向かっているのだろうか?

「弱者が弱者のままで生きていける社会」にはどのようにして手が届くのだろう?


次回は

3月9日(土)13:30〜16:00

コリドリオ「市民センター」社会貢献活動支援室

新テキスト:「上野千鶴子がもっと文学を社会学する」


2024年1月15日月曜日

2024年1月13日(土)13:30〜16:00 市民活動センター(旧ベルガ)にて


一番最初の読書会は、ほぼ12年前となる2012年5月、カピオの会議室で開催した。
友人と二人で始めた会だった。今、思えば、母を失い失職もして打ちひしがれていた私を励まそうとその友人がこの会を一緒に始めることを大きく後押ししてくれたのだった。
 その年の3月、上野千鶴子氏の講演会でこの読書会のチラシを配布したり地域情報紙のイベント告知欄に掲載してもらって会に臨んだ。”誰が来てくれるんだろう?”というドキドキした気持ちだったのを思いだす。初回のテキストは当時、話題だった古市憲寿氏との対談「上野先生、勝手に死なれては困ります」とした。当初はPCで記録を取ったり、ティータイムを準備したりと肩に力が入っているもののどう進めていけばいいのか悩みながら始まった。私は確かに手応えのある何か新しいことを始めたいと思っていた。

今月の読書会では、昨年3月から読んでいる「フェミニズム がひらいた道」の最終日だった。
「フェミニズム リブート」はなるほどと思った。
フェミニズム リブートが起きている要因の一つは少子化にあり、少子化により女の子しかないいない家庭も多くなり、また子供の数が少なく大切に育てられてきて、「我慢、我慢を強いられる女の子」ということが少なくなった環境で差別への許容度が下がってきたというのは納得。オンラインアクティズムの主役が20代、30代ということもそういう理解もできる。

リブートってコンピュータの『再起動』〜のことなの?

フェミニズム は弱者が強者になることを目指す思想ではなく、弱者が弱者のまま尊重される思想。
「同じである権利を求めるのではなく、違っていても差別されない権利を求める思想と実践」⇦少し難しい。しかしとても大事だと思う。

そしてこの本の最終日だった。






2023年12月13日水曜日

12月の読書会(2023/12/9) 6章 第4波フェミニズム 、そしてどこへ?

今月は今年、最後 の読書会だった。この本を今年3月にここで読み始めてもう10回目となった。「家父長制と資本制」と比較すると字も大きく読みやすいと思った割には案外、はて?と思い、さらっと読み飛ばすことはできないところがあった。この書を読みながら1980年代頃から現在までの日本でのフェミニズムの動き(という言い方が適切かどうかわからないが)の50年を振り返ることになった。

実際、ここのジェンダー史に描かれているようにこの街でもちょうど2000年代にジェンダーバッシングが起きていた事実を確認した。

〜テキストを読みながら〜(P94-103)

11月の読書会で読んだ(テキストの)最後の節「男性学の成果」にあった「非モテから始める男性学」を読んだイブさんが「その非モテの男性の心理や辛さをわかる気はしたが、実感として本当に理解し共感したとまではいかない自分に気づき、そういう自分の感じと”フェミニズムを理解しない男性”がファミニストの女性を”うるさい人たち”のように認識することが少しつながっているように感じ、立場の違う人同士が理解し合うことの難しさを感じた」と。

#Me Too 運動のうねり
性暴力という最も見えない暴力=被害者が名乗りでないことによりなかったとされる犯罪が、告発により表に出て過去の経験の再定義により「性犯罪」と認識されるようになった。背景に国際フェミニズムの大きな波の存在。
セクハラ、DVも広く性暴力と定義。「性的」の意味の矮小化← 「ジェンダーに基づく暴力」(gender-baased violence) 或いは「ジェンダー暴力」とも。←『構造的暴力』
伊藤詩織さん「2017 Black Box」

オンラインアクティズムの拡がり
職場の服装規定に「ヒールを履くこと」←KuToo 運動
2019、岡崎判決後、→強制わいせつ罪から「抗拒不能」を削除
  フラワーデモの開催

#MeToo 運動の進展により認識論的パラダイム転換は起きたとまでは言えないが、性差別への許容度は大きく下がりネットのツールとしての使用によりアクティビズムのハードルが下がり
運等のスタイルが変化。
当たり前のことをあたり前に言える社会に。
社会変革とは本音の変化ではなくタテマエの変化を目標とするのではないか?
「痴漢は犯罪です」を見た著者の感動←「犯罪である」という認識のパラダイム転換

「痴漢は犯罪です」という掲示にハッと驚くくらい痴漢が犯罪であるという定義も認識も
なかった時代が長かったということの証なのだと思った。








11月読書会(11/11 土)フェミニズムと揺り戻し


 テキスト:「フェミニズム がひらいた道」p 83〜93   〜フェミニズム と揺り戻し〜
今月はブックカフェサッフォーで開催だった。これで二回目。コーヒーやケーキなどもお供にしながらとても居心地のいい場所での読書会だった。

<テキストに入る前の時間に> 
・映画監督のトークもあった映画「教育と愛国」の話。意見が対立していても、違うことと切り捨てずにその理由を掘り下げて考え理解しようとする監督の姿勢。相入れない意見を持っている人とも諦めずに対話を試みることを大切さ。私はどうだろう?”どうせ分かり合えない。理解されないだろう”という思いで衝突を避け、話題を避けていることあるなあ〜

・またこの頃、聞こえてくる公立学校での授業の進め方。わからない子をわかるようにするのではなく、わかる子にこれもできるか?というような授業も行われているとか。「一人も取り残さない社会」という言葉は、絵にかいた餅にすぎないのか?

・ユーさんがリアルタイムで参加していた「展覧会とワークショップ」(エクアドルの 作家:ディアナ・ガルデネイラ、アンドレア・Z=ロハス、政治的な手芸部、闘う糸の会、Our Clothesline with Monica Mayer)がサッフォーに掲示されていた写真がその展示の写真でありしかもムーさんの作品もそこにあったことに驚いた。遠い国のことではなく日本にも起きていることを思い連帯の大切を考えさせられる企画。

<テキスト>
1997年の「新しい教科書をつくる会」ーこれまでの歴史教科書は「自虐史観」に立つとし、こどもたちがより誇りの持てる日本の歴史を教えようという目的で発足→「慰安婦問題」の間違った理解を広げた。
歴史教科書論争と教科書戦争が起き、歴史教科書から「慰安婦」を削除。
1999年、日の丸、君が代公式に制定する国旗国歌法の制定。
1999年 「男女共同参画社会基本法」成立。男女平等ではなく「男女共同参画=行政用語」。
2000年〜フェミニズム への本格的バッシング始まる。ジェンダー関連図書の追放、
     フェミニズム 関連講演への妨害、中止など。
女性学からジェンダー研究へp90
・80年代後半〜90年代にかけ、女性学の世界で変化
→ 「女を対象とする個別分野の研究」から「ジェンダーを対象にする研究」へとユニバーサル化した。
・ジョーン・スコットによるジェンダーの定義「身体的なさいに意味を与える知」と。
 =ジェンダーは、男女の項ではなく、その項を分割する非対称な差異化の実践であり、ジェ
 ンダーは権力関係の用語だという認識の確立。
・女性学も男性学も「ジェンダー研究」へと統合された。
・こんにち、ジェンダーはあるゆる分野を横断する分析カテゴリーとして国際的に確立した学
 問上の概念となっている。








2023年10月16日月曜日

10月の読書会(2023/10/14) +モンゴルリポート

 今日は最初にムーさんにモンゴルの話をスライドを見ながら話をしていただいた。

首都ウランバートルの整然とした街並み、首都から60キロほど離れて、美しく雄大な自然、動物たち、遊牧民の暮らしを垣間見ながらゲルに泊まったりという貴重な体験。羨ましいの声!

食生活はお肉と乳製品が中心で、標高が高く乾燥しているので野菜は自国での生産は難しく輸入が多いことや岩塩以外の調味料はあまり使わないことなど日本の食生活とは大きく違っていることなどとても興味深かった。

移動するには、公共交通機関はほとんどないのでドライバー付きの車の手配や通訳は必須のようだった。言語はモンゴル語だが、年配者はロシア語、若い人は少し英語もわかる人がいると。

遊牧民は元々、皆で協力して働く社会であり、そこに社会主義国になっても同じで、女性も男性も仕事をするのはあたり前のことで、育児や家事が女性の仕事という考えはないようだ。子供の世話もおじいさんやおじさんがするのは当たり前とか。どこかの国とはだいぶ違うようだ。

テキスト(P77~82)

慰安婦問題の解決に向け設立された国民基金設立も一定の効果がなかったとは言えないのでは?首相たちのお詫び文の存在。「慰安婦問題」に対する日本フェミニズムの最大の達成と言える2000年「女性国際戦犯法廷」という民衆裁判開催。

フェミニスト法学者の出した昭和天皇の有罪判決、NHKで番組制作するも、直前に介入で放映中止という結果。

「戦争兵器としての戦時性暴力」の残虐さと恐ろしさ。そして今にも続いている戦時下における性暴力。性暴力の被害者が声を上げることの難しさ。その辛い被害者を受け入れないコミュニティ。そしてコミュニティの崩壊を招く場合も。




2023年9月28日木曜日

9月の読書会(2023/9/18) 第3波フェミニズム と揺り戻し

9月18日(祝月)読書会 @市民活動センター

5章 第3波フェミニズム と揺り戻し(テキストp 68〜p77,2行目まで)

 ガーリーって何?

 人によって共通のイメージが見つけにくい言葉かな〜
 最近、あまり聞くことがないような気がする
 「女の子」という表現

 女性たちによる自らの欲望の解放

・ポップカルチャー、ガールズバンド、

・サブカルに進出、コミケ、BL(ボーイズラブ小説)、「腐女子」、ライトノベル、

  BL小説とAlly(アライ)小説 https://www.asahi.com/sdgs/article/15006745

  百合漫画:NHKドラマで「作りたい女。食べたい女」など

・ 女性が性の主体になれない?

・ トークニズム、https://honz.jp/articles/-/46128

・ オードリーロード( Audre Lorde、1934年2月18日 - 1992年11月17日)、

  アメリカ合衆国の作家、詩人、フェミニスト、人権活動家)

LGBTQAX?← この表現はあまり見ないものでは?  non-binary

クイアセオリーとは?

Judith  Batler ”gender  trouble”

 日本での女性の表現者

ターリ・イトー アーティスト

長島有里枝 女性写真家「視点的写真の意味」 (ピープル バックストアに在か?)

Q 日本での愛3波ってどうだったの? いつ? 

Q ジェンダーバッシング、バックラッシュとは?

        ジェンダー本の撤去、

  2009~2010 ? 自治体や図書館でもジェンダー本の撤去や言葉の規制

生理貧困、  https://eleminist.com/article/2874

ピルについても・・・

国家・企業・家族 ⇄  市場 


p8「現代の小s度あて支援の重要性」奥山真紀子
:上野千鶴子が「家父長制と資本制」で明らかにしたように近代社会では市場が中心となり、自然は市場社会に資源を提供し、老廃物を引き受ける。同時に家族はこどもを育てて市場に労働力を提供し、老いや怪我。病気により市場で働けなくなったものを引き受ける役割が期待されている。



官制婚活イベントは実際、どうだったのか?2023/9/10







2023年9月25日月曜日

テキスト「家父長制と資本制」から「フェミニズム をひらいた道」へ

2023年2月12日「家父長制と資本制」最終日 @市民活動センター

*2020年2月から丸三年かかってついに読み終えた。読み終えたことがひどく嬉しかった。使われている言葉の意味から始まり、また引用文献も多く、読むだけでも随分、時間がかかったが、かなり読み応えはあった。社会の仕組みやその理由を理解できたような気がした。完読直後は資本制をすっかり理解できた様にさえ感じた。

新しいテキスト:”フェミニズムがひらいた道” 何が変わり何が変わらなかったか。


①3/11 新テキスト ”フェミニズム を拓いた道”  初日 @市民活動センター

②4/8   ③5/8   ④6/10 @(移動前の)市民活動センター

⑤7/8  @(カピオ横に移動後の)市民活動センター


8/26 @ブックカフェ”サッフォー” 初会場

  * 報告会”男女共同参画条例制定にまつわる(1996~2004頃)も実施

  第4章「女性学の登場」〜ガーリーカルチャーの騒乱
   ・女性学とは何か?組織とは?
   ・男女雇用機会均等法(1985)
   ・労働者派遣事業法(1985)
   ・紳士服仕立ての法律、女性の分断
  *均等法以前に就職した場合は、当然の様に男女賃金差別があり、均等法後に就職した場
  合は表面的には平等があったように見えた。

⑦ 9/18(祝月)@(カピオ横に移動後の)市民活動センター